住宅ローン、たくさんあってよくわからない。どうやって比較すればいいんですか?
やっぱりフラット35にしたほうがいいんですか?
住宅ローンの金利を比較しおすすめの金融機関の住宅ローンについて説明しているサイトを読んで、どの住宅ローンを選べばよいか検討している方は多いと思います。
また、銀行が無料で開催している住宅ローン相談会に行って話を聞かれているお客さまも多いです。
家づくりコンサルティングに相談に来られるお客さまが口を揃えておっしゃることはただひとつ。
「読んでも聞いても、自分たちの将来の生活に合った住宅ローンはどれを選べばいいのかが分からない。」
家づくり相談に来られるお客さまからよくいただくご質問のひとつが「住宅ローンを選ぶときの比較のやり方と気をつけておいたほうがいいポイント」。
自分で住宅ローンを比較するとき、これだけは絶対気をつけておいてほしいポイントについてお答えします。
住宅ローン比較で気をつけるポイントは7つ
チェックポイント
「住宅ローン選びで失敗したくない!住宅ローンの比較」のページでも詳しく説明をしていますが、住宅ローン比較で気をつける7つのポイントについてひとつずつ見ていきましょう。
1. 住宅ローンは金利だけで比較してはダメ
住宅ローンの金利は、多くの銀行では毎月1日に更新されてWebサイトや店舗などで新しい金利が公開されています。
家づくりコンサルティングのサイトでは、毎月1日に更新された銀行の金利情報をチェックし、その月のお得な住宅ローンがどれなのか比較したものをランキング形式で掲載しています。
→住宅ローンランキング
下図のようにExcelに最新の住宅ローン金利を入力して、手数料と合わせて固定金利期間内(固定10年であれば10年間)の総返済額を毎月計算しています。
なぜ毎月計算をしないと住宅ローンの比較ができないのか?
その理由は、どの住宅ローンを借りたらお得なのかは総返済額で比較をしないと意味がないからなんです。総返済額に関係してくるのは、住宅ローン金利、手数料、保証料、団信、借入額、借入期間などです。
つまり、金利が低くても手数料などの諸費用が高ければ総返済額は多くなり、お得な住宅ローンとは言えない、ということになるんです。
だから住宅ローンは金利だけで比較してはダメなんです。
住宅ローンの適用金利はいつ決まる?
「住宅ローンのシミュレーションをした結果、自分たちにとってお得な住宅ローンを見つけてA銀行に決めています」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
すばらしいシミュレーションでした。
でもひとつだけ知っておいてください。
住宅ローンの金利が適用されるのは、住宅ローンに申し込んだ日ではなく「融資実行日」である金融機関がほとんどです。
融資が実行されるのは家の引き渡しのタイミングです。
つまり、今月の金利でA銀行がお得だったとしても実際に融資される月でお得かどうかは分からない、ということは知っておきましょう。
2. 借入するときに必要な手数料
住宅ローン借入れのときに必要な手数料には以下のものがあります。
- 融資手数料
- 保証料
- 印紙税
- 登録免許税
- 司法書士への報酬
印紙税、登録免許税、司法書士報酬などはどの住宅ローンを選んでほぼ変わらないので、ここでは融資手数料と保証料について説明します。住宅ローンを組む際には、融資手数料型か保証料型のどちらかを選択することになります。
融資手数料とは?
融資手数料は住宅ローンを借りるときに銀行に支払う手数料です。融資手数料型を選択すると保証料は銀行負担となります。
金融機関によって違いますが、借入金額×2%(税別)を一括で支払うケースが多いようです。この手数料は住宅ローンを途中で完済しても返金されないので、住宅ローンを早く完済してしまう方にとっては不利になる場合もあります。
保証料とは?
住宅ローンの保証料とは、住宅ローンを借りている方に万が一のことがあって住宅ローン返済ができなくなったとき、保証会社が銀行に返済をしてくれるために保証会社に支払う手数料です。
いわゆる連帯保証人を担ってくれる会社に支払う手数料のことを言います。ただし保証会社を使えば住宅ローンの返済がなくなるわけではなく、保証会社に払っていかなくてはなりません。
最近では保証会社を利用しない銀行や金融機関も増えており「保証料なし」の住宅ローン商品が増えています。フラット35も保証人も保証料も不要です。
保証料が必要な場合には、「一括支払い」と「住宅ローン金利上乗せ」のパターンがあります。
一括払いと金利上乗せ、どちらが総返済額がお得かは、借入期間や金額によっても違ってくるのですが、実は住宅ローン審査結果によっても変わります。
また、将来は繰上返済をして住宅ローンの返済期間を短くしていこう、と考えている方は、保証料一括払いを選択すると前払いした分は損かもしれません。
住宅ローンの比較をするときには、金利だけでなく手数料や保証料などを合わせた総返済額で比較をし、また将来のご家族のライフプランもあわせて考えておくのがベストです。
3. 優遇金利の条件の有無(給与振込など)
銀行のサイトや店舗に行くと「基準金利」と「優遇金利」の2つの言葉を見かけることがあります。
銀行などの金融機関が設定している適用条件を満たすことで、住宅ローンの優遇金利を適用してもらえます。
たとえばイオン銀行の当初固定金利プランで、固定金利特約期間中の借入利率が低い金利を適用してもらうためには、イオンカードセレクトのお申込みとイオン銀行インターネットバンキングの登録、さらに給与振込口座に指定・カードローン・投資信託口座の3つのうちいずれかの取引、申し込みが必要です。
イオンでの住宅ローン借入れをした方は、イオングループでのお買い物が毎日5%割引になる特典もあります。
また、日本住宅ローンでは、積水ハウス、大和ハウス工業、住友林業、セキスイハイムで住宅を建築・購入する場合、通常よりも優遇された金利・手数料が適用される「提携会社限定プラン」があります。
銀行によっては、金利優遇に幅を持たせている住宅ローン商品もあります。申し込みをされた方の「属性」や審査結果で金利優遇の%が決まる、というものです。
他にも、住宅ローン審査のアプリからの申し込みをすればさらに金利を優遇する、など、イマドキの優遇金利を用意している銀行もあります。
給与振込口座だけではなく、さまざまな優遇金利の条件がありますので、住宅ローンの比較をするときにはサイトや銀行で調べた金利だけではなく、ハウスメーカーと金融機関が独自に提携している優遇金利があることも知っておきましょう。
4. 団体信用生命保険など万が一のときの保険
住宅ローンを借りるときには生命保険への加入が必要になることがほとんどです。
フラット35も2017年10月から団信(団体信用生命保険)付きが標準になりました。(詳しくは「2017年10月から団信付きの住宅ローンに変わるフラット35」をご覧ください。)
銀行の住宅ローン商品を借りる場合にも生命保険に加入が条件となっていることが多いです。
住宅ローンについてくる生命保険、「生命保険料の負担なし」とか「生命保険料は銀行が負担します」などと書いているのが一般的です。そのため、住宅ローンを借りるときの生命保険についてはあまり気にされない方は多いのですが、実は住宅ローンを比較するうえで気にしておいたほうがいいポイントのひとつです。
住宅ローンについてくる生命保険と一般の生命保険の違い
まず、住宅ローンについてくる生命保険と一般の生命保険の違いを知っておきましょう。
住宅ローンについてくる生命保険は、万が一のことがあったときに住宅ローン残高の支払いをしなくてもよくなります。
一方で、一般の生命保険の場合、万が一のことがあったときには保険金が支払われます。
では、住宅ローンについている生命保険の保険金は誰が受け取るのでしょうか?
「住宅ローン残高の支払いをしなくてもよくなる」=「銀行が保険金を受け取って住宅ローン残金の清算をする」ということです。
つまり、住宅ローンについている生命保険の保険金は自分たちの手元に入るわけでない、ということを知っておきましょう。
また住宅ローンについている生命保険の保険期間は、住宅ローン完済までの期間となります。
住宅ローン商品によって生命保険の種類も違う
【フラット35の場合】
フラット35には新機構団信がついてきます。
新機構団信は、「身体障害保障(障害年金1級・2級)もしくは死亡」した場合に保険金が支払われます。
新機構団信付きフラット35の金利に+0.24%上乗せをして、新3大疾病付機構団信に変更することもできます。
【住信SBIネット銀行の場合】
住信SBIネット銀行の住宅ローンについてくる生命保険は以下のようになっています。
- 病気やケガで働けなくなったら月々のローン返済が0円に。
- 3つの特定疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)、5つの慢性疾患(糖尿病・肝硬変・高血圧症・慢性腎不全・慢性膵炎)、その他の病気やケガなどで12か月間働けない状態が続いたら、住宅ローンの残高が0円に。
- 女性の場合、ガンと診断されたら30万円の保険金の支払い
※いずれの場合も条件が定められていますので、詳しくは住信SBIネット銀行のサイトをご確認ください。
【じぶん銀行の場合】
じぶん銀行の住宅ローンの保険は団体信用生命保険で5つの団信プランから選ぶことができます。
5つの団信プランのうち、「一般団信」と「がん50%保障団信」は金利上乗せなし、「がん100%保障団信」は年0.2%金利上乗せ、「11疾病保障団信」は年0.3%金利上乗せになります。
「がん50%保障団信」は、「がん」と診断確定された場合に住宅ローン残高が半額になる特約を金利を上乗せすることなくつけることができます。
※いずれの場合も条件が定められていますので、詳しくはじぶん銀行のサイトをご確認ください。
このように住宅ローンを借りるときについてくる生命保険の種類も条件もさまざまです。条件によって金利も変わってきます。
見落としがちですが、住宅ローンの比較をするときには生命保険の内容も必ずチェックしておきましょうね。
5. お子さまの教育費や車買い替えなど大きなお金が必要になる時期の整理
住宅ローンの比較をするとき、今現時点の金利での毎月・ボーナスの支払いが大丈夫だから、と安心してはいけません。
お子さまの入学のタイミングや塾代など教育費関係は一度に大きなお金が必要になる場合があります。また車の買い替えのタイミングも同様です。
いつぐらいの時期に大きなお金が必要になるのか、住宅ローンの比較をする際にはライフプランシミュレーションをしておくことがおすすめです。
6. 繰上返済のときに必要な手数料
住宅ローンの繰上返済は、住宅ローン返済利息を大幅に減らすことができるため、お金に余裕があるときには早くやっていったほうがいい、ということはご存知だと思います。でも繰上返済にはデメリットもありますのでそれは「住宅ローン繰上返済、タイミングを間違えると大失敗」の記事をご覧ください。
基本的にはメリットが多い繰上返済なので積極的にやっていきたいところです。その際に気になるのは繰上返済を行うときに銀行に支払う手数料です。
インターネットバンキングで手続きをする場合、一部繰上返済手数料は無料のところがほとんどです。
住宅ローン残高の全額を繰り上げ返済するときには、インターネット経由の場合でも有料・無料さまざまです。また、全額の繰上返済はインターネットバンキングでは行えず店舗に行く必要がある金融機関もあります。
一方で、店舗窓口で繰上返済の手続きをする場合、ほとんどの金融機関では5,000円-30,000円くらいの繰上返済手数料が必要です。
住宅ローンの比較をするときには、繰上返済手数料の比較も忘れずに見ておきましょうね。
7. 住んでいる地域で本当に得な住宅ローンを探す
今はインターネットでいろいろなことが調べられるので、家づくりコンサルティングに来られるお客さまも住宅ローンに関して多くの情報を持っていらっしゃいます。
住宅ローン比較サイトもよく見ていらっしゃるようです。でも、よくある住宅ローン比較サイトはエリア限定で比較をしてくれているところは多くありません。
実は営業エリアの人限定で低金利の住宅ローンを用意している地方銀行や信用金庫があります。
例えば関西エリアであれば、家づくりコンサルティングの住宅ローンランキングでも常連の「近畿大阪銀行」「南都銀行」「滋賀銀行」「京都信用金庫」など。
GoogleやYahooの検索エンジンも賢くなっているので、「住宅ローン」でインターネットで検索をするとあなたが住んでいるエリアの金融機関の情報がいくつか出てきていると思います。
住宅ローンの比較をするときには、地方銀行や信用金庫など住んでいる地域でお得な住宅ローンがないか、を調べてみてくださいね。
自分たちの将来の生活に合った住宅ローンを選ぶための比較方法
家づくりコンサルティングに相談に来られるお客さまによくお話をしている住宅ローンの比較のポイントについて、今回7つのポイントにまとめました。
住宅ローンは種類が多くて何を選べば本当に得なのかは分かりづらいですよね。
見た目の金利だけで選んではいけない、と漠然と分かっていても「じゃあ何を比較すればいいの?」となってしまいます。
住宅ローンを比較するとき気をつけておきたいポイントを最後にもう一度あげておきます。
チェックポイント
もし住宅ローン選びで不安な方はぜひ家づくりコンサルティング住宅購入ライフプラン診断、もしくは住宅ローン相談よりご相談くださいね。