住宅ローン控除・住宅ローン減税は、住宅ローンを借り入れて住宅の新築もしくは取得または増改築等をした場合、一定の要件を満たすときは、契約時期と入居時期に応じて最大13年間、年末の住宅ローン残高に応じて毎年一定額を所得税額から控除できる制度です。

※2021年(令和3年)12月24日に閣議決定された令和4年度税制改正大綱の情報をもとに情報を更新しています。
2021年までの住宅ローン控除からの変更ポイント
- 住宅ローン控除の特例措置が4年間延長
- 控除率が年末ローン残高の 1% から 0.7% に引き下げ
- 控除期間が 10年 から 13年(新築)に
- 最大控除額が 500万円から 455万円(認定住宅)に引き下げ
- 年間所得要件 3,000万円以下から 2,000万円以下 を対象へ
- 省エネ住宅も対象
住宅ローン控除(新築住宅)の概要比較
2021年度(令和3年度)税制改正後の住宅ローン控除
新築住宅 | 年末住宅ローン残高 控除率 |
2021年12月末までの入居 | 消費税率10% 2021年9月末まで契約で 2022年12月末まで入居 |
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ローン限度額 | 控除期間 | 控除限度額 | 控除期間 | ||
認定住宅 | 1.0% | 5,000万円 | 10年 | 【1~10年目】左と同じ 【11年~13年目】 ・建物価格2%を3等分 ・年末残高×1% のどちらか少ない方 |
13年 |
一般住宅 | 1.0% | 4,000万円 | 10年 | 13年 |
2022年度(令和4年度)税制改正後の住宅ローン控除
新築住宅 | 年末住宅ローン残高 控除率 |
2022年~2023年入居 | 2024年~2025年入居 | ||
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ローン限度額 | 控除期間 | ローン限度額 | 控除期間 | ||
認定住宅 | 0.7% | 5,000万円 | 13年 | 4,500万円 | 13年 |
ZEH水準 省エネ住宅 |
0.7% | 4,500万円 | 13年 | 3,500万円 | 13年 |
省エネ基準 適合住宅 |
0.7% | 4,000万円 | 13年 | 3,000万円 | 13年 |
それ以外 | 0.7% | 3,000万円 | 13年 | 2,000万円 | 10年 |
2022年度から控除率が0.7%に引き下げられましたが、認定住宅および省エネ住宅は控除期間が13年に延長されました。認定住宅および省エネ住宅以外の住宅は、入居時期によって控除期間が変わりますので注意が必要です。
認定住宅で最大控除額を比較すると以下のようになります。
2021年度税制では…
1.0% × 5,000万円 × 10年間 = 500万円
2022年度税制では…
0.7% × 5,000万円 × 13年間 = 455万円
2022年度税制改正で、一般住宅では最大控除額はさらに減額されています。
住宅メーカーの戸建て住宅では省エネ住宅が主流となってきていますが、省エネ基準に適合しているか、戸建て・マンション購入ともに確認しておきましょう。
住宅ローン控除の要件
要件 | ||
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控除対象 | 次の借入金等(償還期間10年以上)の年末残高 ・住宅の新築・取得 ・住宅の取得とともにする敷地の取得 ・一定の増改築 |
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床面積要件等 | (主として居住の用に供する) 1.住宅の新築 ・床面積50㎡以上(新築の場合、2023年までに建築確認:40㎡(所得要件:1,000万円) 2.新築住宅の取得 ・床面積50㎡以上(新築の場合、2023年までに建築確認:40㎡(所得要件:1,000万円) 3.既存住宅の取得 ・床面積50㎡以上 ・昭和 57年以降に建築された住宅(新耐震基準適合住宅) 4.増改築等 ・床面積50㎡以上 |
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所得要件 | 年間合計所得金額 2,000万円以下 | |
適用期限 | 令和7年(2025年)12月31日までの入居 |
2021年度税制までの所得要件は、3,000万円(年間)以下でしたが、2,000万円(年間)以下に変更になりました。住宅ローン減税制度の方針である「住まいの質の向上・無理のない負担での住宅の確保」に添った、富裕層ではなく中間所得層以下を対象とした要件変更となりました。
住宅ローン控除と他の制度との併用
所得税から控除しきれなかった部分は住民税で控除
2021年12月末まで入居 | 2022年~2025年入居 | |
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所得税の 課税総所得金額等 | 7% | 5% |
上限 | 136,500円 | 97,500円 |
住宅ローン控除は所得税から税額控除しますが、引き切れない分は住民税からの控除ができます。
住民税の控除額は、2021年度税制では、所得税の課税総所得金額等の7%と136,500円の少ない方までが控除可能でしたが、2022年からは所得税の課税総所得金額等の5%と97,500円の少ない方までが控除可能額となりました。
住民税の控除上限も引き下げられています。
ちなみに住民税からの控除は対象となる年の翌年に控除され、支払う住民税額が減るという仕組みです。つまり所得税と異なり「還付」ではなく、住民税分は翌年「減額」で対応となります。
特定の増改築等に係る住宅ローン控除
2022年度税制改正では、これまでの「リフォームローン型減税」と「リフォーム投資型減税」を統合しています。
詳しくは「住宅特定改修特別税額控除(住宅リフォーム投資型減税)」にまとめて記載しています。
住宅ローン控除を受けるための手続き
住宅ローン控除を受けるためには、居住地の税務署に必要書類を添付した確定申告書の提出を自分で行う必要があります。
確定申告書の受付は、その所得の発生した年の翌年2月16日からで確定申告期限は3月15日です。期日が土曜日・日曜日と重なると繰り下げた日程になります。ただし、住宅ローン控除の利用等による還付の申告については、還付をうける所得の発生した年の翌年であれば2月15日以前でも受け付けてくれます。
通常は還付金を受け取れるのは約6週間後くらいですが、国税庁e-taxを利用して申告手続を行った場合には、通常よりも早く受け取れます。
給与所得者の場合は、控除を受ける最初の年分のみ確定申告をすることで、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けることができます。
消費税アップに住宅ローン控除(住宅ローン減税)の延長、相続税の基礎控除の引下げなど、どのタイミングで家を買ったらいいのか分からない、と思われている方も多いと思います。
住宅ローン控除を含めて、お得な家づくりをしたい方は家づくり相談のページをご覧ください。