住宅購入を検討しているとき、「住宅ローン返済をやっていけるかしら?」と考えて将来が不安になり、住宅購入の検討が止まってしまう方もよくいらっしゃいます。数千万円というこれまでの人生で見たこともないような大金の住宅ローンを組むわけですからビックリしてしまうのも無理はありません。
親族や知人からは、
「そんなに住宅ローンを組んで大丈夫なの?返していけるの?」とか
「住宅ローン金利はいくらなの? え~っ!!いったいいくら利息を払うと思ってるの!!」
といったアドバイスや心配を必ず受けます。
「住宅ローンの支払いが不安なんだけど大丈夫かな?」と聞かれたら、アドバイスする側としても、もしも住宅ローンを組んで返済できなくなったら「あなたのせいよ!!教えてくれればよかったのに!」と言われても困ってしまいますから、アドバイスも慎重になりますよね。
こうなると住宅ローンはすっかり悪者扱いになってしまいます。少しでも住宅ローン額を減らさなければ!!」という心理になっていって、やっぱり住宅ローンの支払いが大変そうだから家を買うのをもう少し考えたほうがいいかな?と検討を中断してしまうことになるんですね。
住宅ローンの組み方・考え方を正しく理解すれば怖くない!
ここで問題です。
次の2つの住宅ローンのうちどちらの住宅ローンが良いですか?
- パターンA
住宅ローン借入金額 3,000万円 , 金利 5.0% , 返済期間 35年 - パターンB
住宅ローン借入金額 4,000万円 , 金利 3.0% , 返済期間 35年
少し迷ってしまいませんか?家づくり相談に来られた方に同じように質問をすると、皆さん同じように迷われます。
少しでも住宅ローンの借入額を減らしたほうが楽だ、と考えていると分からなくなってしまいますよね。
でもしばらくすると、みなさん「はっ!!」と気がつきます。
「住宅ローンの総返済額はどうなんでしょうか?」
そうなんです!そこが大切なんです!!
実は、上の2つの住宅ローンは総返済額がほぼ同じなんです!!つまり、家計から出て行くお金は全く同じです。
だったら金利が低くてたくさん貸してくれるほうがいいと思いませんか?
住宅ローンの組み方でもっとも大切なのは、住宅ローンを返していける毎月の金額はいくらか?を考えることであり、そして少しでも得をする住宅ローンを考えることなんです。
住宅ローン金利は預貯金金利より高いからたくさん借りるのは損?
「でも、いくら低金利と言っても住宅ローン金利は預貯金金利より高いから、やっぱりたくさん住宅ローンを借りるのは損ですよね?」
この心配もみなさんからよく聞かれます。
住宅ローンは長期間付き合う金融商品ですね。長ければ35年間、もっと長いと50年という商品もあります。だから長期的な視点で金利を見ることが大切です!!
下のグラフは過去40年超の金利推移です。
長い目で金利の推移を見てみると、上がり下がりを繰り返していることが分かります。これは日本だけでなく、世界各国の金利推移も同じです。
お金を持っている方は、必ず「高い金利のときにお金を長く預ける」ことを考えてお金の運用をしています。
例えば、1990年の高金利のとき、郵便局では7%を超える金利がありました。このときに1000万円を預けていた方は、なんと!
10年で2倍の2000万円になったんです!!
ところが、現在のような超低金利では、預け入れの金利が0.3%だと、1000万円を預けても2倍になるまで240年近くかかってしまいます(涙)。
少し長い目で見ると住宅ローン金利よりも銀行預金金利のほうが高くなる日が来るかもしれませんが、こればかりは正直誰にもはっきりしたことは分かりません。
住宅購入時に住宅ローンで失敗するもっともよくない考え方は下の2つ。
- 住宅ローンの借入額を減らそうと考えてしまう
- 短期的な視点だけで金利を見てしまう
住宅ローンをうまく活用する住宅購入の考え方
「住宅ローン金利よりも高い金利でお金を預けることができないだろうか?」と考えてみてください。
私は、2,000万円の住宅ローンを実質的に3年で返済しました!!
住宅ローン金利よりも高く、安定した金利を求めて試行錯誤を重ねた結果、住宅ローン金利よりも遥かに高い利回りでお金の運用ができるようになりました。今では住宅ローンで支払う利息以上の運用利息が毎月入ってきます。
つまり住宅ローンの残債は残っていても、実質上は完全に住宅ローンとオサラバできていることになりました。
ただ、これは2012年時点のお話で、現在の日本の経済状況では実現するのは難しいかもしれません。でも、発想を転換させて住宅ローンをうまく活用することを考えることができれば、失敗しない素敵な家づくりができますよね!
家づくりコンサルティングでは、お金の運用も含めて一緒に検討させていただきます。