銀行や住宅メーカー、工務店が出してくれた住宅ローンの返済計画で、将来毎月/毎年赤字を出さずに楽しく暮らしていけそうですか?
できるだけ住宅ローンの返済額は将来にわたって負担にならないように少なくしたいと考えるのが一般的です。
「住宅ローンの毎月の支払いとボーナス返済が多いと生活ができない…」という漠然とした不安から、返済額をとにかく下げることを中心に考えてしまう方が多くいらっしゃいます。
実はこの考え方、大きな間違いなんです。ご家族の大切な家づくりをこの思い込みで突き進んでしまうと、思いもよらない事態に発展してしまうことになるかもしれません。
住宅ローンの返済額を下げたい
家計を預かる奥さまにとって、毎月やボーナス時の住宅ローン返済額はとっても気になるところ。
住宅購入のときには、少しでも家計の負担を減らすため、少しでも住宅ローンの返済額を少なくしたいと考えていることだと思います。
住宅ローンの返済額を下げる方法は2つあるんです。あなたはどちらの方法を選びますか?
- A:住宅ローンの借入額を減らす
- B:住宅ローンの金利を下げる
「住宅ローンの借入額を減らすために頭金が貯まってから家を建てます」と考えていらっしゃる方はAを選択されていますね。
Aを選択されたみなさま、年間どのくらい貯蓄できますか?
100万円?200万円?資産運用や投資を生業としていてお金を貯めることに自信がある方はもっと多いかもしれないですが、それぞれのご家庭によって年間に貯蓄できる金額はさまざまですよね。
下の表をご覧ください。
住宅ローン借入額と金利による毎月返済額の違い(固定35年)
借入額/金利 | 1% | 2% | 3% | 4% |
---|---|---|---|---|
3,000万円 | 84,685 | 99,378 | 115,455 | 132,832 |
2,800万円 | 79,039 | 92,753 | 107,758 | 123,976 |
2,600万円 | 73,394 | 86,128 | 100,061 | 115,121 |
2,400万円 | 67,748 | 79,503 | 92,364 | 106,265 |
2,200万円 | 62,102 | 72,877 | 84,667 | 97,410 |
2,000万円 | 56,457 | 66,252 | 76,970 | 88,554 |
3,000万円を金利2%で借り入れ:99,378円/毎月
2,800万円を金利2%で借り入れ:92,753円/毎月
借入額を200万円減らすと、金利2%では毎月返済額は6,625円下がります。
たとえば、200万円貯蓄をしてから住宅購入をしたときに同じ金利であれば返済額を下げることができるんです。
ところが、そのときにもし金利が3%に上がっていたらどうなるでしょうか?
107,758円-99,378円=8,380円、毎月の返済額は上がってしまいます。
がんばって200万円貯蓄して頭金にして住宅ローンの借入額を減らしたのに、毎月の返済額は下がるどころか増えてしまうことになるんです。
しかも、頭金を貯めていた期間分、住宅ローンの返済が終わる時期も遅れてしまいます。
つまり、住宅ローン返済計画を考えるときに毎月返済額を下げたいのであれば、借入額ではなく借りるときの住宅ローン金利を下げることを考えましょう。
住宅ローンの返済計画で間違えないこと
住宅ローンの返済計画で次に間違えてしまうことがあります。
住宅ローンの返済額を減らしたい
→ そうだ!借入額を減らそう
→ そのためには住宅購入価格を下げるためにランクを下げるしかない!
… …
長い間夢に見てきたマイホーム。多くの人は一生に一度の大きな買い物です。
それを間違った考え方や思い込みによる住宅ローンの返済計画で台無しにしないでくださいね。
本当に下げたいものは何?
あなたが本当に下げたいものは何でしょうか?
返済額ではなくて、住宅ローンの利息ですよね。
住宅ローンの返済額は、元本と返済利息で構成されています。
元本は、あなたのマイホームの資産です。
返済利息は、100%銀行の資産です。
本当に下げるべきなのは、住宅ローンの返済額ではなく銀行に支払う住宅ローンの利息と考えましょう。
返済利息が少ない住宅ローンの返済計画は、最もマイホームの価値を高めてくれるんです。
住宅ローンの返済計画を間違えないために
住宅ローンの返済額を少なくしたい、と考えるだけでは希望のマイホームを手に入れることは難しくなってしまいます。
そのような考え方でマイホームを妥協してしまった方を何人も見てきました。中にはとても後悔している方もいらっしゃいます。
住宅ローンの返済計画はしっかり立てておかないと、せっかくのマイホームを手放すことになりかねません。
返済計画で心配な方は、将来の家計をシミュレーションして、本当に安心できる返済計画なのかどうかをあらかじめ知っておかれると良いでしょう。
また、今までの金利推移と世界の金利水準から予測して、貯蓄をしたほうがいいのか?住宅ローンを借りたほうがいいのか?買い時を見極めましょう。→住宅ローンの金利推移・動向はこちら
とはいえ、金利の予測なんて金融のプロでも正確には分からないですよね…
家づくりコンサルティングでは、住宅ローンの返済計画に関するご相談にも応じています。