さまざまな金融機関で、いろんな住宅ローン商品があります。どれを選んだらよいのか迷ってしまいますよね。
- 預貯金と同じ額の住宅ローンは利息がゼロ
- がんになったら住宅ローンは返済不要
- 返済期間中ずっと金利優遇してくれる
- 保証料・繰上返済手数料が無料
- 団体信用生命保険が無料
などなど、実にさまざまな住宅ローンが開発され販売されています。
どこの住宅ローンを選ぶのが一番良いのでしょうか?住宅ローンをどうやって比較したらいいのでしょうか?
気になるところですよね。
「住宅ローン選びで失敗したくない!」
誰もがそう思っています。
だから、住宅ローンを比較するんです。
でも実は、これが果てしない迷路への入り口だったりするんです!
住宅ローン比較は意味がない?
住宅情報誌や住宅ローン比較サイトなど、「住宅ローン徹底比較!」と書かれてランキングされているのを見たことありますか?
実はこれ、あまり意味がないんです。
住宅ローンランキングを見れば見るほど、結局どの住宅ローンがよいのか分からなくなってしまうんです。
この家づくりコンサルティングのサイトでも、住宅ローンランキングのページで住宅ローンの比較を行っています。
この住宅ローンランキングは、関西限定で、金利固定期間内の利息と諸費用の総額が最も少ない順にランキングをしています。
よくある住宅ローンの比較は、エリアや期間などの条件付けがされている、ということなんです。
もし住宅ローンランキングで条件付けが何も書かれていないようであれば、その住宅ローンの比較は参考にならないかもしれません。
単純な住宅ローンの比較がなぜ参考にならないのか?
金利1.37%のフラット35を扱うA銀行と金利1.32%のフラット35を扱うB銀行。
どちらの銀行のフラット35がお得だと思いますか?
金利が低いのはB銀行です。よくある住宅ローンの比較サイトでは金利が低いB銀行がランキング上位にきているかもしれません。
この金利で融資手数料が、A銀行は借入金額×1.08%、B銀行は借入金額×2.16%だった場合はどうでしょうか?
35年間の住宅ローン総返済額で比較をしてみましょう。
住宅ローン総返済額の比較
金利 | 手数料 | 総返済額 | |
---|---|---|---|
A銀行 | 1.37% | 1.08% | 12,708,643円 |
B銀行 | 1.32% | 2.16% | 12,701,969円 |
金額的にすごく大きな差ではないですが、こうやって比較をしてみるとA銀行のほうがお得だということが分かります。
融資手数料だけではなく繰上返済手数料などの諸費用や優遇条件などによってもどの住宅ローンが得なのか、は変わってきます。
フラット35は35年間で計算がしやすいため比較がしやすいです。
しかし、固定3年、5年、10年などの短期固定の住宅ローン商品の場合、固定期間が終了した後の金利をどうシミュレーションするかによって住宅ローンの総返済額は大きく変わってくるため比較が難しくなります。
また、すべての住宅ローンを比較することは事実上不可能です。
金融機関がさまざま住宅ローン商品を出していますし、金利はもちろんのこと条件などもよく変わります。
優遇条件として給与口座があるなど人によっても、また地域によっても有利な住宅ローンは異なります。
そして、将来のライフプランも人それぞれです。
たとえば、「10年後に退職を迎える家族」と「10年後に子どもが大学受験を迎える家族」とでは、選ぶべき住宅ローンは変わりますよね?
あなたの家づくりに適した住宅ローンで比較をしないとその比較はまったく参考にならないんです。
住宅ローンを比較するときのチェックポイント
住宅ローンは金利だけを比較してはいけません。
- 変動金利の場合は社会情勢によって変わるので比較はできない
- 固定3年・5年など固定期間が短いものは、その固定期間内での総返済額での比較をする
- 保証料・団体信用生命保険など必要な諸費用も総返済額に加味して比較する
- 優遇条件や期間などを確認する
- 繰上返済手数料を確認する
- ご家族の将来のライフプランで最適な住宅ローンは変わる
ご自身で住宅ローンの比較をされたい方はぜひチェックポイントを参考にしてみてくださいね。
ただ、住宅ローンについてネットや金融機関で個人で調べるよりも、もっと確かでお得になる方法があることも知っておいてください。
住宅業界にいた私が実際に経験しているので確かです。では、その理由をご覧ください。
住宅ローンの最新比較情報を多く持っているのは誰?
「こんにちはー。○○銀行のxx支店の者です。」
私が住宅展示場で住宅営業をやっていたとき、平日の午前中は銀行員の方がよく来ました。
手作り風の住宅ローンのチラシをもって
「ハウスメーカーさん限定の金利キャンペーンのご案内です!」
「○○職員様限定金利です!」
などなど、地域の銀行独自のオリジナルキャンペーンをやっていることが多いんです。
「ふーん、こんな金利で貸してくれるのか~。覚えておこう。」
このように住宅メーカーには金融機関から勝手に最新の住宅ローン情報が入ってくるんです。
しかも、住宅情報誌には載っていない、地域独自の特別な住宅ローン情報です!
住宅営業マンだった私の営業ツールとして、最新の住宅ローンチラシのコレクションがまたひとつ増えるわけです。
ネットや雑誌で調べて住宅ローンの比較をしたお客さまがガッカリしたこと
私が住宅営業をしていたある日のこと。住宅ローン金利をとても熱心に比較研究しているお客様が住宅展示場に来られました。
「○○銀行の住宅ローンを使いたいと思っています。」
理由を聞いてみると、「住宅ローン比較をしてみたらもっとも支払い額が少なくなるから」とのこと。
とても見事なシミュレーションをされていらっしゃいました。
ところがこのあと、お客さまはとてもガッカリしてしまったんです。
それは私が持っていた住宅ローンチラシのコレクションをお見せしたときです。
お客さまがネットや雑誌で調べたものよりも、はるかに金利優遇や各条件がよい住宅ローンが揃っていたからです。
これまでのお客さまの苦労と努力が水の泡になってしまったのでとてもガッカリしてしまいましたが、結果的には条件の良い住宅ローンでマイホームを建てることができたのでお客さまも大喜びでした。
なぜ住宅営業マンは住宅ローンのいい情報を持っているのか?
一般の方が住宅ローンを比較するための情報は、ネットや雑誌、金融機関を行脚して手に入れることができます。
でもその情報は、家づくりのプロが比較するための情報とは金利も条件もまったく違うんです。
家づくりのプロである住宅営業マンは、どこから住宅ローンのいい情報を手に入れるのでしょうか?
それは、数多くの金融機関から、その住宅メーカー向け特別キャンペーンの情報を手に入れることができるんです。
ではなぜ銀行などの金融機関は住宅メーカーと提携したいと考えるのか?
銀行は、手っ取り早く住宅ローンを必要とするお客さまを見つけたい、と考えているからです。住宅メーカーには住宅ローンを必要とするお客さまが多くいらっしゃいますから、銀行としては広告費などでお金を使うよりも、住宅メーカーからの紹介でお客さまを見つけて金利で還元したほうがいい、と考えているわけです。
住宅ローン選びで失敗したくない!最も有利な住宅ローンを見つける方法
あなたが家を建てたいエリアで最も有利でかつ最新の住宅ローンの情報を持っているのは住宅営業マンです。
私はファイナンシャルプランナーとして全国で家づくり相談を行っていますが、すべての地域でのすべての住宅ローン商品の条件を把握しきれていません。
なぜなら住宅ローンは毎月条件が変わるため、すべては把握して比較することはできないんです。
だから、住宅営業マンにその地域の金利情報や有利な住宅ローン商品の情報を教えてもらいます。
- 今、家を建てるとしたらどのくらい住宅ローンを借りることができて、どの住宅ローンを選ぶのが得なのか?が知りたいだけ
- 今は住宅ローン相談がしたいだけで、住宅展示場に行って住宅営業マンに追い掛け回されるのはイヤ!
- ネットなどで自分では調べられない、自分にとってお得な住宅ローンの情報を手に入れたい
そうですよね。住宅営業マンに家を建てる相談はできても住宅ローンの相談だけをいきなりするのはやりづらいですよね。
家づくりコンサルティングでは、あなたが家を建てたいエリアにおいて住宅ローン選びに失敗したくない、住宅ローンの比較をしてほしい、将来の家族の生活を考慮してどんな住宅ローンを借りたらいいのか?、など住宅ローンに関するさまざまなご相談に応じています。
最後に
それでもやっぱり住宅ローンの比較をご自身でやりたい、とおっしゃられる方へのアドバイスとチェックポイントをもう一度お伝えします。
住宅ローンは金利だけを比較してはいけません。
- 変動金利の場合は社会情勢によって変わるので比較はできない
- 固定3年・5年など固定期間が短いものは、その固定期間内での総返済額での比較をする
- 保証料・団体信用生命保険など必要な諸費用も総返済額に加味して比較する
- 優遇条件や期間などを確認する
- 繰上返済手数料を確認する
- ご家族の将来のライフプランで最適な住宅ローンは変わる
これらのチェックポイントを意識して住宅ローンの比較は考えてくださいね。
家づくりコンサルティングでは、これらに配慮しながら素敵な家づくりができるようにお手伝いをしています。