※2021年(令和3年)12月24日に閣議決定された令和4年度税制改正大綱の情報をもとに情報を更新しています。
相続税とは、親、配偶者など、親族が死亡したことにより財産を承継した場合や、遺言によって財産を譲り受けたことによって生じる税金です。
相続税とは?
相続税とは、人の死亡により財産を相続又は遺贈により取得した人に対して課税される税金です。
被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所地の所轄税務署に申告し納税することになっています。
相続税はだれが払うの?
相続税は相続や遺贈によって財産を受け取った人に課税されます。
相続税の計算方法
(A)遺産額=(本来の財産+みなし相続財産)-非課税財産-債務・葬式費用
(B)相続税の課税対象額=上記遺産額(A)+(生前贈与財産+相続時精算課税を選択した贈与財産)
(C)遺産にかかる基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数
課税遺産額=相続税の課税対象額(B)-遺産にかかる基礎控除(C)
たとえば、ご主人様がなくなって、法定相続人が奥様、お子様ふたりだった場合の相続税の基礎控除額(C)は、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
つまり、4,800万円を超える相続税課税対象額(B)があると相続税がかかってきてしまいます。
*相続時精算課税制度については、『住宅に係る贈与税』のページをご参照ください。
法定相続人とは?
法定相続人とは、配偶者と一定範囲内の血族関係者からなります。まず、配偶者は必ず相続人となります。配偶者と血族相続人は共同して相続します。
順位の異なる血族相続人同士が共同して相続することはなく、あくまでも次の順位で相続人となります。
法定相続人と法定相続分の関係
順位 | 法定相続人 | 内容 | 法定相続分 |
---|---|---|---|
配偶者 | 常に相続人となる | 配偶者 すべて相続 | |
第1順位 | 子 (直系卑属) | 子が死亡している場合は孫 | 配偶者 1/2 子 1/2 子が複数の場合人数按分 |
第2順位 | 親 (直系尊属) | 直系卑属がいない場合相続人となる 父母が死亡している場合は祖父母 | 配偶者 2/3 父母 1/3 複数の場合人数按分 |
第3順位 | 兄弟姉妹 | 直系卑属・尊属がいない場合相続人となる 兄弟姉妹が死亡の場合はその子ども | 配偶者 3/4 兄弟姉妹 1/4 複数の場合人数按分 |
なお、配偶者については、生活等への配慮からさらに税額を軽減させる制度があります。
相続財産に含まれるマイホームの土地・建物の評価
土地の評価
土地の評価は、通常「路線価方式」で評価します。
路線価とは、国税庁が毎年1月1日における価格を8月上旬に発表します。毎年3月下旬頃、国土交通省が発表し、新聞にも掲載される公示価格のおおよそ80%くらいが路線価額になります。
また、一定の要件を満たす土地については、小規模宅地の評価減の特例を受けることができます。
建物の評価
建物の評価は固定資産税評価額と同額となります。
小規模宅地の評価減の特例
遺産のなかに住宅や事業に使われていた宅地等がある場合には、その宅地等の評価額の一定割合を減額する特例があります。
特定居住用宅地、特定事業用宅地、貸付事業用宅地に分かれていますが、ここでは特定居住用宅地のみを記載しています。
小規模宅地等の特例の適用要件緩和
平成26年1月1日以後の相続または遺贈から、二世帯住宅の敷地および老人ホームに入居している場合の、自宅の敷地に対する小規模宅地等の特例の適用要件の緩和が行われています。
二世帯住宅
二世帯住宅で、一棟の建物で内部では行き来ができない場合、区分所有登記によって適用が変わります。
1階に両親、2階に子世帯が居住しており、土地が父親所有の場合で父親がなくなり相続が発生したとします。区分所有登記をしている場合には1階部分に対応する敷地が居住用宅地等として適用対象であり、区分所有登記をしていない場合には敷地全体が適用対象となります。
老人ホームに入居しているが自宅が維持管理されている場合
次の要件を満たしている場合には、今は居住していなくても居住用宅地等として小規模宅地等の軽減の特例対象になります。
- 被相続人に介護が必要なため入所したものであり、相続開始時点で要支援・要介護の認定を受けていること
- 当該家屋が貸付等の用途に供されていないこと
- 生計を一にしない親族の居住の用に供されていないこと
特定居住用宅地
適用対象面積
330㎡(平成27年1月1日より前の相続または遺贈は240㎡)
減額割合
80%
相続した親族の要件:下のいずれかに該当する場合
(被相続人の居住の用に供されていた場合)
- 配偶者が取得した場合
- 被相続人と同居していた親族が取得し、申告期限まで引き続き居住している場合
- 被相続人に配偶者・同居していた法定相続人がいない場合、相続開始前3年以内に本人または本人の配偶者の所有する家屋に居住したことがない親族が取得した場合
(被相続人と生計を一にする親族の居住の用に供されていた場合)
- 配偶者が取得した場合
- 被相続人と生計を一にしていた親族が取得し、相続開始前から申告期限まで自己の居住の用に供している場合
税金についてはとても難しいもの。家を建てるときには相続税や贈与税のことがよく分からなくなってきます。そんなときには家づくり相談のページをご覧ください。